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アオマツムシ

前回のブログで、近所の秋に鳴く虫を紹介しました。
   
   
その中で、ひときわ大きな声で鳴いていたアオマツムシという種は、どうやら明治時代末期に中国から移入された帰化昆虫、つまり外来種という事がわかりました。
   
   
アオマツムシは、その一生を樹上で過ごします。産卵も小枝の先に産卵管を突き刺して産卵し、幼虫も成虫も樹上で葉や実、小昆虫などを食べて暮らしています。
   
   
ですから、樹木や苗にくっついて中国からやって来たのではないか、という説が有力なようです。
   
   
そして、日本で街路樹や鉄道が整備されると、それに沿っての移動が可能になり、人の暮らす街で多く増えていったのではないか、と考えられています。
   
   
   

日本には、50種以上のコオロギの仲間(コオロギ科・マツムシ科の種)がいます。
   
   
中国から来たアオマツムシの暮らしは、彼らと多くは違いません。
年一化性で、成虫は8月下旬から10月下旬頃に出現し、オスは鳴き声でメスを呼び繁殖し、卵で越冬します。
   
   
大きく違うのは体色。多くのコオロギが黒っぽい体をしているのに対し、アオマツムシはきれいな緑色です。
   
   
これは、多くのコオロギが地上で暮らしているのに対し、アオマツムシは樹上で暮らしているからかもしれませんね。
   
   
   

原産国の中国では、果実や葉を食べる害虫となってしまっているようですが、日本でも同様の被害が報告されています。
   
   
梨や柿などの果樹園で、食害に悩まされている地域があるとのこと。
   
   
このように、人間にとっては被害をもたらす害虫になってしまっていますが、日本在来のいきものたちにとってはどうでしょうか?
   
   
   

実は、日本在来のいきものたちへのアオマツムシの大きな被害は、まだ、確認されていないのが現状です。
   
   
ただ、表面化していないだけで、既に困っているいきものがいるかもしれません。
   
   
例えば、日本在来のコオロギたちに比べて、アオマツムシの大きな鳴き声は、他のコオロギの繁殖の妨げになっているのでは、と想像できます。
   
   
他にも、特に限られた都市の自然では、日本在来の種との餌やすみかの競合がないとは言えません。
   
   
   

このように、外来種が一度移入し、定着してしまった後では、取り返しがつきません。
   
   
元の日本の自然に戻すことは、できないのです。
   
   
同じ事を繰り返さないためにも、アオマツムシが移入し、増えた経緯から学んでいかなければなりませんね。
   
   
   

ホコ
   
   
   

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秋の夕べ

まだまだ、蒸し暑い日が続いていますが、朝夕は以前より暑さが和らいできました。
   
そこで今日は、少しだけ涼しくなった夕方に、公園を散歩してみました。
   
   
ゆっくりと、秋は近づいてきているんですね。
   
つい最近まであんなに鳴いていたセミの声は、ごく僅か。
   
たくさんの秋の虫の声が、聴こえてきました。
   
   
といっても、私にはほとんど聞き分けができません。
   
あの声は誰の鳴き声だったのだろう・・・と、家に帰って調べてみました。
   
きっとたくさんの種が鳴いていたと思うのですが、鳴き声が似ていて初心者には難しいですね。
   
確認できたのは、エンマコオロギ、カネタタキ、ツヅレサセコオロギ、アオマツムシでしょうか。
   
エンマコオロギなんて恐そうな名前がついているのに、あんなにきれいな声で鳴くなんて、驚きました。
   
そして、あんなに小さな体でこんなに大きな音を出せるなんてすごいですよね。
   
   
みなさんも、秋の夕べに虫の声を聴くなんていかがでしょうか。
   
季節の移ろいを感じながら、ゆったりした時間を過ごすことができますよ。
   
   
   
ホコ
   
   
      

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「森を歩く」

この言葉は、森に親しみ、国民にかつてのような森とのきずなを取り戻してもらおうとの思いで決められた、国際森林年のテーマです。

2011年は国連が定めた国際森林年

もう、今年も2/3が過ぎましたが、森を歩いたり、森を感じたりすることはありましたか?

   

そもそも、国際森林年とは、「森林の持続可能な開発に関する意識を高める」事を目的に定められました。

ちょっと分かりにくいですが、要するに、森林を活用しながら未来に残していこうということでしょうか。

少し森林について考えてみましょう。

   

まずは、森林の持つ役割、機能について軽く説明します。

主なものとしては、降水の浄化、洪水の防止、山崩れの防止などがあげられます。

また森林は、木材の生産の場であり、様々な生きものの生活の場でもあります。

今回の台風12号では、土砂崩れや堤防の決壊などで多くの被害が出てしまいましたが、森林がなければ、さらなる被害が出てしまった可能性もあります。

健全な森林がはぐくんだ土壌が雨を吸収することで、急な雨水の流出を防ぎ、また、森の木々が根を張ることで、緩くなった地盤が崩れ出すのを食い止めているのです。

   

日本は、国土の約2/3が森林という、「森林大国」です。

Photo それなのに、国内で使用する木材の約7割は、他の国から輸入しています。

他国の木材が安価だからといって、森林資源を多くもつ日本が輸入材に頼る事は、地球規模で進む森林破壊の原因のひとつにもなっています。

そして、このまま日本の林業が衰退し続けると、放置された人工林が今以上に増え、先程あげたような本来の森林の機能を維持できない、荒れた森林ばかりになってしまいます。

そうなれば、洪水や山崩れなどが増えてしまうかもしれません。

では、日本の森を守るためには、どうしたらいいのでしょうか。

   

私達にもできることがあります。

それは、消費者として日本の国産材を使用した製品を選ぶこと。

国は、国産材を使用した製品に「木づかいサイクルマーク」、「3.9グリーンスタイルマーク」などのロゴをつけています。

また、ボランティアで参加できる間伐などの森の保全作業に参加する、もしくは、そのような森を守り、再生している団体を寄付などで支援することも、日本の森を守ることにつながります。

そして、何よりも、森を歩きましょう!

皆さんが森を知って、森に親しむことこそが、森を守るための第一歩なんです。

   
   

ホコ

   

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アライグマ

昨日、大阪で野良猫がアライグマに襲われて死んだというニュースがありました。

   

北アメリカ原産のアライグマは、1970年代のペットブームで日本に持ちまれました。

     

Photo 若い人は聞いた事がないかもしれませんが、「あらいぐまラスカル」というアニメを見て、アライグマを飼いたい!という人が増えたことも要因の一つのようですが、人間と仲良しなのはあくまでもアニメでのお話です。

   

凶暴でペットには不向きなため、飼育放棄して野に放つ人も多く、もともといなかった日本で野生化してしまいました。

   

あの愛らしい容姿からは想像し難いですが、気が荒く凶暴で、国内でも農業被害など出ています。

   

   

   

アライグマに限らず、外来生物の問題というのは、人間に何かしらの被害が及ぶまで表面化しませんが、そこに至るまでには、多くの日本在来の動植物が被害を受けているはずです。

   

すみかを奪われたものもいただろうし、エサを奪い合って負けてしまうものもいたでしょう。

   

ひっそりと、いなくなってしまった日本在来の生きものもいるのです。

   

   

   

でも、アライグマなどの外来種だって、ただ生きているだけ。

   

こんな問題になるのは、人間が安易に生きものを移動してしまったからに他なりません。

   

長い時間をかけてできあがった日本の生きもの同士のバランスは、他の生きものが入ることで簡単に崩れてしまいます。

   

そして、一度崩されたバランスは、元には戻らないのです。

   

   

私達人間が気をつければ、今回のアライグマのようなことは防げます。

   

   

海外から生きものを持ち込むことはもちろん、国内での生きものの移動も、それぞれの地域で保たれている生きもの同士のバランスを崩してしまいます。

   

   

生きものの移動はしてはいけないこと、そしてこれら外来種が起こす様々な問題について、もっともっと、周知させていかなければなりませんね。

   

   

   

   

ホコ

   

アライグマは、外来生物法で「特定外来生物」に指定されています。

   

   

 

   

   

   

   

   

   

   

  

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