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来年は森林の再生元年に!

先日、石川県で国際生物多様性年のクロージングイベントが行われたそうです。
 
名古屋での生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の開催もあった2010年。
   
各国の関係者が参加したクロージングイベントの式典では、COP10の成果の報告などが行われたほか、市民向けのシンポジウムやイベントも行われました。
   
   
振り返ってみると、今年は日本でCOP10という国際会議が行われていたにも関わらず、人々に「生物多様性」という言葉すら、「浸透したな〜」という実感が、最後まで私には持てませんでした。
   
皆さんはどうだったでしょうか?
   
   
“生物多様性を守ること”は、「遺伝子」「種」「生態系」と、それぞれのレベルでの多様性を守ることです。
   
今回の会議では、そのためのルールや目標などが決められました。
   
でも生物多様性という言葉の意味やその伝え方など、各メディアとも曖昧で、そのことも、生物多様性を守るということが身近な問題として捉えられにくい、一つの要因かもしれませんね。
   

実は身近な場所でも、生物の多様性は失われています。
   
P8281565 「すみかがない」「餌が足りない」などと今、困っている生きものがたくさんいるのです。
   
そんな生きもの達を守り、たくさんの生きものが暮らせるようにするためには、それぞれの種のことや、困っている原因を知って、彼らが暮らせる環境を再生する必要があります。
   
ですから、身近な生きものや自然について知ることは、身近な場所の生物多様性を守るための第一歩になるわけです。
   
   
国連では、2010年の国際生物多様性年に引き続き、2011年を国際森林年と定めています。
   
世界的な森林減少問題などに取り組むため、国連で決議されました。
   
地球上では日本の国土の4倍もの森林が、1990年からの20年で消失しているという、FAO(国際連合食糧農業機関)のデータもあります。
   
木材が必要だからといって、森林が再生するスピード以上の速さで森林の伐採を進めてしまうと、森林は破壊され消失してしまいます。
   
このような森林減少がすすんだ要因は、安価な海外の木材に依存している日本にもあるのです。
   
   
それを受けて日本では、森林・林業の再生を図り、現在30%以下の国内木材自給率を10年後には50%以上にするという再生プランも始動するようです。
   
Rimg2472そのためには、森林の新たな価値を見出し、人々の暮らしと森林との繋がりをもう一度見直していく必要があります。
   
国産材の価値が再認識され、需要が増えれば、林業は発展します。
   
そして、放置されて荒れてしまっていた人工林を、かつての里山のように管理することで、人工林もたくさんの生きものが暮らせる豊かな森林として再生でき、新たな価値も生まれるはずです。
   
Photo 木材の利用法としては、最近では、おがくずなどを圧縮し燃料としたペレットストーブが注目を集めているようですが、普及するにはまだいくつかの課題があるようです。
   
その他、家具や建物などにも利用されてはいますが、輸入材が多いのが現状です。
   
   
森林が再生し、健全な森林生態系が守られれば、それは生物多様性の保全にも繋がっていきます。
   
これから人々と森林との繫がりを深め、森林を再生していくために、私達には何ができるでしょうか。
   
Rimg3418 2011年の国際森林年を森林の再生元年とするために、まずは皆さんも、森に親しみ、身近な場所での新たな木の活用方法など考えてみてくださいね。
   
   
   
ホコ
   
    
   

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カブトムシのおはなし

先週の木曜日、私も一日だけですがエコプロに参加してきました。
   
今回もたくさんの方と、お話させていただきました。
   
私自身たくさん学ぶ事がありました。
   
その中で、カブトムシの悲しい現実を知りました。それをお伝えします。
   
   
Rimg7109 子供だけでなく、大人にもマニアがいるほど人気者のカブトムシ。
   
飼育が容易なこともあり、ペットショップなどでも簡単に購入する事ができ、さらにはインターネットでも、どこの地域のものか分からないカブトムシが販売されています。
   
そして飼っていたものが逃げ出してしまったり、捨てられてしまったりなどで、現在、カブトムシは日本のほとんどの地域で見られる生きものとなりました。
   
かつては生息していなかった北海道にも、人の手によって移入されてしまったようです。
   
人間が本来のカブトムシの移動能力以上の距離にカブトムシを移動し、本来は交わることがないはずの、全く別の地域のカブトムシとの交雑が起こっているのです。
   
   
その結果、現在日本中のカブトムシの遺伝子の一律化が進んでしまっているというのです。
   

本来、遺伝子には、同じ種でもそれぞれの地域で暮らしてきた長い歴史の過程で生まれる違いがあります。
   
そして、種が移動できる範囲内でのみ遺伝子の交配が行われるので、地域ごとに遺伝子の違う個体群ができるのです。
   

   
Rimg4052 人間だって、地域によって肌や目の色などに違いがあります。
   
カブトムシなど、自然界に暮らす生きものも同じです。
   
   
もし今、カブトムシがかかりやすい伝染病が発生してしまったら、どうなるでしょう。
   
最悪の場合、日本中のカブトムシが病気にかかり、絶滅してしまう事もあるかもしれないのです。
   
でも、遺伝子の違いがあれば、その病気に対して耐性のある遺伝子をもった一部のカブトムシが生き残ることができるかもしれません。
   
遺伝子の違いが、カブトムシという種の絶滅を防ぐ可能性を大きくするのです。
   

同じように問題になっている生きものに、メダカがいます。
   
P5030334 ペットショップで販売されている観賞用に改良されたヒメダカを川に放す人がいたり、川で捕ったメダカを他の水系の川に放したりなど、遺伝子交雑の原因のほとんどが人間のせいだと言われています。
   
   
人間の都合、身勝手で窮地にたたされている生きものはたくさんいます。
   
国だけでなく地域でも、自然に暮らす生きものの移動や飼育方法に関する規制をつくる必要があるかもしれませんね。
   
生きものに対する正しい知識を多くの人に知ってもらわないと、今残っている自然でさえ、未来の子ども達に残す事ができなくなってしまうかもしれないのです。
   
   
   
ホコ
   
   
   

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エコプロダクツ2010に出展します!

今年も人と自然の研究所は、エコプロダクツ(以下、エコプロ)に出展します!

   

   

エコプロでは、毎年たくさんの企業や団体が参加し、温暖化防止、生物多様性保全、資源の枯渇など、様々な課題に対するそれぞれの活動や製品・技術を紹介しています。

  
また、シンポジウムトークショー、最終日には「環境」就職・進路相談会も開催されるそうです。

  
このように、エコプロは色々な人が楽しめる、見どころ満載のイベントだと思います!

   

   

私たち人と自然の研究所のブースは、NGO・NPOコーナーの『N-76』にあります。

   
Ecopro2009 ブースでは、当研究所が開講している「ビオトープ管理者養成通信講座」や、私たちの行うビオトープを活用した環境教育、企業の社員教育プログラムなどをご紹介します!

   
さらに、天然由来成分100%の環境に配慮した石けん、シャンプーなどの販売も行っています。

   
これらの売り上げの10%は‘森’‘川’‘野生動物’を守る活動を行う団体に寄付しています。

   

   

ビオトープの視点を活かした本当の自然再生活動を、たくさんの人たちに知ってもらえるよう、スタッフ一同、皆様のお越しをお待ちしております!

   

   

ホコ
   

   

   

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「伝える」を実践!

11月28日日曜日、人と自然の研究所現場研修会のフィールドとして利用させていただいている、神奈川県立座間谷戸山公園の「谷戸山公園まつり」で、研修内容や公園の自然を紹介するプログラムを行って来ました。
   
   
谷戸山公園は、かつて座間市にもたくさんあった里山の環境を観察できるよう復元・再生した公園です。
   
毎月行っている研修会では、そんな里山環境を維持するため、主に湿地や樹林などの管理作業を行っています。
   
今回は、里山環境そのものの大切さと、その環境を維持するための管理作業の必要性を、地域の人達に「伝える」という事を目的に、研修生達が3つのチームに分かれて、それぞれが考えたプログラムを行いました。
   
その様子をお伝えします!
   
   
まずは、土壌生物の役割を伝える「ドジョウすくい?!」チーム。
   
Rimg7599Img_8263   

   

   

   

落ち葉の下の土から生きものを探し、顕微鏡で特徴を見て、どの生きものの仲間なのか検索表で調べます。
   
Img_8264落ちたばかりの落ち葉を食べる土壌生物、食べられて細かくなった落ち葉を食べる土壌生物、Img_8277_2

   

   

さらにそれらの土壌生物を食べる写真のカニムシの仲間のような肉食の土壌生物なども見られました。
   
これらの土壌生物がそれぞれ関わりあいながら、落ち葉を栄養たっぷりの土に変える役割をしています。
   
そして、その土壌生物が作った土の栄養を、植物が根から吸収して葉を伸ばし、時期がくると土壌生物の餌となる葉を落とします。
   
このような、土壌生物の役割を知って、無駄のない自然の循環が伝わったのではないでしょうか。
   
 
にどんぐりから谷戸山を知ろうという「どんぐりコロコロ」チーム。

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どんぐりを拾いながら5つのポイントを周り、どんぐりや谷戸山の森に関するクイズに答えます。
 
Rimg76241集めたどんぐりは、どんな森に生える何という木のどんぐりなのか、最後のポイントで検索表から調べます。
 
その結果、谷戸山公園には、ナラなどが生える明るい森、シイやカシなどが生える暗い森があることがわかりました。
   
参加者にも、森の違いやそれぞれに暮らす生きものとの関係、そしてなぜ明るい森を維持するために私達が活動しているのかも、伝わったことと思います。
 
Img_83081Img_83102どんぐりを使って、こんなかわいい作品も出来ていました!
   
   
   

   

   

次に私達が研修で行っている樹林の間伐体験などをする、「チーム与作」。
   
Rimg76371まずは、なぜ間伐が必要なのかをゲームで知ってもらいます。
   
しゃがんでいる子供が実生の樹木。大人の広げた傘(樹々の広げた枝葉)で子供達は空が見えません。   
つまり、生長に必要な光が足りないということです。
   
森の若返りをはかるためには、光を遮る大きな木を切って、若い木が生長することが必要です。
   
そこでは子供は大人とじゃんけんをして、勝てば傘をたたんでもらい、空が見えるようになると、子供(実生の木)は光を受けて大きく生長することができるというわけです。

Rimg7651Rimg7644

   

   

   

間伐、落ち葉かき、そして間伐材を利用したクラフトなどの体験を通して、かつて森の恵みを利用しながら暮らしていた人々と、その人々の手によって維持されていた明るい森やそこに暮らす生きものとのつながりを感じることができたのではないでしょうか。
   
Rimg76581_2子供達も夢中で、作業に取り組んでくれました。
   
   

   
   

そして最後に、ブースでも伝えられるようにと考えられた「缶釣りゲーム」。
   
Rimg7630Pb2800081   

   

   

   

様々な生きものの写真の貼られたスチール缶を磁石のついた釣竿で釣り、その生きものはもともと谷戸山にいた生きものなのか、外来種なのかを知ってもらい、その生きものが谷戸山の環境にどんな影響を与えているかを伝えました。
   
   
子供から大人までたくさんの人々に参加していただき、新たな谷戸山公園の魅力も楽しみながら知っていただけたので、どのプログラムも大成功だったと思います!
   
プログラムに取り組んだ研修生達も、一からプログラムを組み立て、実際に地域の方達とふれあいながら「伝える」という目的を果たせて、確かな手ごたえを感じたことと思います。
   
今回の経験を、今後のビオトープ管理士としての活動に役立てていってもらえたらいいですね。
   
   
   
ホコ
   
   
   
 

    

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