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イトトンボのすみか

新学期のスタートから、もう約2ヶ月が経ちました。私たち人と自然の研究所が行っている、都内小学校での新年度の池型ビオトープを活用した出前授業も、もう始まっています。私が今回参加させていただいたのは、代々4年生が維持管理を担当しているビオトープの調査の授業でした。
P5110047_2   こちらの小学校のビオトープは、コンクリートでいくつかに仕切られた池を、生きものの視点から、数年前に土を入れて水草の生えた浅い水辺に改修したものです。今回も、ビオトープの環境を知る際の指標にしやすいトンボ(ヤゴ)を中心に、捕獲調査を行いました。
P6040026捕獲後は、班ごとに子ども達に種を同定してもらいます。最初にイトトンボを渡された班の子ども達は、他のヤゴとのあまりの形の違いに、「ヤゴじゃないのが当たっちゃった~」なんて言っていましたが、同定の途中でこれがヤゴだとわかった時のみんなのキラキラした目!子ども達にとっても、図鑑等で見るだけでなく、直に触れられるいい機会になったのでは、と嬉しくなりました。
今回の調査ではシオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ギンヤンマ、マルタンヤンマ(羽化殻)と、イトトンボの仲間のヤゴの3種を確認することができました。
先輩方(代々の4年生)の努力により、10㎡程のビオトープにこれだけの種のトンボが来訪してくれていたのです!

皆さんはイトトンボを見たことがありますか?
彼らは他の一般的なヤンマ類やトンボ類に比べて、非常に細く小さく、他のヤゴに捕食されてしまうことも少なくありません。そんな弱いイトトンボ達と、他のトンボが一つの小さな池で一緒に暮らしていられるなんて、不思議だと思いませんか?
P6040038_4 その訳は、イトトンボ達が『小さい』ということにあります。他のトンボでは入り込めないけど、イトトンボ達なら入れるような水草の混んだ場所を、子ども達が生きものの気持ちになってビオトープを管理することにより、創出できていたからなのです。
このようにコンクリートで仕切られたビオトープでも、生きものの気持ちになって必要な環境を創出しさえすれば、生きものにとってはそこが素敵な「すみか」になるんですよね。

都内の小学校のたったひとつの小さなビオトープでも、生きものの視点に立って少し工夫するだけで、多様な生きものと、その「すみか」となる多様な環境について知ることができるのです。
日々の暮らしの中でも、周囲の環境を生きものの視点で見てみてください。そうすれば、その多様な生きものたちの暮らしを知ることができ、都会ももっと生きものたちが安心して暮らせる場所になっていくのではないでしょうか。

ホコ

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