自然観察のススメ

皆さんは各地の公園や、ビオトープなどを活用した、自然観察会などに参加されたことがありますか?
冬期ですと、樹々の葉が落ち、観察がしやすい事や、越冬するために訪れる冬鳥達も多く見られるので、野鳥の観察会が各地で行われているかと思いますが、今時期は、何といっても、太陽に向かって青々とした葉を広げる植物や、活動が盛んな昆虫などの観察会が多く開かれていると思います。
都市公園などでも、実は力強く生きる生きものたちがたくさんいることに気づくことのできる、絶好の機会だと思います。さらに、それらの生きものが教えてくれることがたくさんあるのです。
実際に、私たちが関わらせていただいている都内の小学校の小さなビオトープでも、たくさんの生きものたちが観察できています。子ども達も、生きものを身近に感じ、生きものの気持ちになって、造成したビオトープだけでなく学校の周りの環境を見る目を持ってくれています。
生きものの視点」それは、ほとんどの人々が、忘れがちなことかもしれません。
公園や緑道などといった環境が、人間の視点で良く見えても、生きものにとっては「わかってないなぁ、こんなんじゃ、暮らせないよ!」なんて、有難迷惑な環境になっていることも、たくさんあるんです。
ですからぜひ、自然観察会などで、生きものがどんな場所で休み、どんな場所で餌を捕り、どんな場所で産卵をするのか、見てみてください。
生きものたちがどんな場所を必要としているのか、子ども達のように生きものの視点で周囲を見渡せたら、きっと新たな発見があるはずですよ。

ホコ

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人と自然の研究所でも、ビオトープ観察会を企画中です。詳細は未定ですが、決まり次第こちらでもご紹介します。ご期待下さい!

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ホタルの光の危機!?

前回の記事で、ホタルについてお伝えしましたが、最近、ゲンジボタルの幼虫の餌となる、「カワニナ」の稚貝によく似た外来種が問題になっているのをご存知でしょうか?

その名は「コモチカワツボ
親貝で体長4~5㎜ととても小さいニュージーランド原産の外来生物で、現在世界中で生息域を広げているようです。
雌雄同体で無性生殖が可能なため1匹見つかると根絶は難しく、同じ餌を食べる川虫などを駆逐し、結果として、それを餌とする魚まで減少させているとの報告もあります。

幼虫期に主にカワニナを食べるゲンジボタルの場合、よく似たコモチカワツボを餌とすると、求愛行動のために放つ光が弱くなり、交尾の成功率が低下し、生息数の減少に繋がっているという研究結果もあります。これは、コモチカワツボが体内に蓄えられるミネラルの量が、カワニナに比べ10%以下のため、発光するための器官が発達しない事が原因と考えられています。

カワニナに比べて容易に増えるコモチカワツボは、ホタルを増やすためのカワニナの代用として、人為的に自然環境に放たれたり、養殖に使われたりしてしまっています。これらの貝は殻口の形が違います1が見分けるのは難しく、カワニナと勘違いされ餌として撒かれることも多いようですが、一度自然界に放たれてしまうと、取り返しのつかないことになってしまいます。

ゲンジボタル達のためにも、ホタルを増やすための安易な外来種の利用や養殖、放流などではなく、彼らが安心して暮らせる環境条件の揃った場所を守り、移動能力の小さい彼らでも、自分の力で移動してすみかを選べるくらい、ホタルが喜ぶ水辺を増やしていきましょう。

※1.殻口の形がコモチカワツボは丸く、カワニナはひし形です。

ホコ

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ホタルの水辺

皆さんはホタルを見たことがありますか?
生まれも育ちも神奈川県川崎市の私は、残念ながら数年前まで見たことがありませんでした。昔は初夏の風物詩として、あちこちの川で見られていたようですが、最近では数年前の私のように、見たことがない人も少なくないのではないでしょうか?
自然界で自生しているホタルは現在激減しており、そのため自然再生の象徴種として、また、観光の目玉にもなりやすいホタルは、養殖や、どこかから連れてきたものを放流している場所も多く見られ、遺伝子汚染も進んでしまっているようです。

ホタルが必要とする環境条件は、ゲンジボタルの場合、
 ①幼虫の餌となる巻貝が多く、幼虫の成長に合わせ、多様なサイズがある。
 ②水際にコケがある。(コケの中に産卵する。)
 ③水辺近くに柔らかく湿った土がある。(さなぎを土の中で作る。)
 ④水量や水温が安定した、流水がある。(冷たくなければダメ。)
 ⑤林に囲まれた水辺である。(光害を防ぐ。)
 ⑥水辺の近くに草むらがある。(日中は葉の裏等で休む。)
 
などなど、たくさんの条件が必要です。皆さんの住む地域に、これらの条件をクリアできる場所はあるでしょうか?
例えば、住宅地は光害を防ぐ事は難しく、人工河川では安定した水量、水温を保つのが難しいと考えられます。

このように、昔はよく見られたはずの上記の環境条件を備えた水辺は、今ではとても貴重な場所になってしまっているのです。移動能力の低いホタルは、上記の環境条件が一つでも失われてしまえば、生きていけなくなってしまいます。ホタルを放流しても、ホタルがその場所に定着し、自生できるような環境が備わっていなければ、ホタル達には迷惑な話なのです。例えば、先日佐渡島で放鳥されたトキが本州に渡ってしまっているのも、同じことかもしれませんよね?
生きものによってそれぞれ必要とする環境条件は違いますが、それがないと生きていけないのは同じことなのです。
 
ですから、もし皆さんがホタルを見に行く際は、マナーを守って楽しみつつ、その場所に上記の条件が揃っているかを確認してみたり、また、ホタルの保護活動が行われているのであれば、安易な移動や放流といった間違った方法ではないかなど、ホタルの気持ちになって見てみるのもいいかもしれませんね。

ホコ

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イトトンボのすみか

新学期のスタートから、もう約2ヶ月が経ちました。私たち人と自然の研究所が行っている、都内小学校での新年度の池型ビオトープを活用した出前授業も、もう始まっています。私が今回参加させていただいたのは、代々4年生が維持管理を担当しているビオトープの調査の授業でした。
P5110047_2   こちらの小学校のビオトープは、コンクリートでいくつかに仕切られた池を、生きものの視点から、数年前に土を入れて水草の生えた浅い水辺に改修したものです。今回も、ビオトープの環境を知る際の指標にしやすいトンボ(ヤゴ)を中心に、捕獲調査を行いました。
P6040026捕獲後は、班ごとに子ども達に種を同定してもらいます。最初にイトトンボを渡された班の子ども達は、他のヤゴとのあまりの形の違いに、「ヤゴじゃないのが当たっちゃった~」なんて言っていましたが、同定の途中でこれがヤゴだとわかった時のみんなのキラキラした目!子ども達にとっても、図鑑等で見るだけでなく、直に触れられるいい機会になったのでは、と嬉しくなりました。
今回の調査ではシオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ショウジョウトンボ、ギンヤンマ、マルタンヤンマ(羽化殻)と、イトトンボの仲間のヤゴの3種を確認することができました。
先輩方(代々の4年生)の努力により、10㎡程のビオトープにこれだけの種のトンボが来訪してくれていたのです!

皆さんはイトトンボを見たことがありますか?
彼らは他の一般的なヤンマ類やトンボ類に比べて、非常に細く小さく、他のヤゴに捕食されてしまうことも少なくありません。そんな弱いイトトンボ達と、他のトンボが一つの小さな池で一緒に暮らしていられるなんて、不思議だと思いませんか?
P6040038_4 その訳は、イトトンボ達が『小さい』ということにあります。他のトンボでは入り込めないけど、イトトンボ達なら入れるような水草の混んだ場所を、子ども達が生きものの気持ちになってビオトープを管理することにより、創出できていたからなのです。
このようにコンクリートで仕切られたビオトープでも、生きものの気持ちになって必要な環境を創出しさえすれば、生きものにとってはそこが素敵な「すみか」になるんですよね。

都内の小学校のたったひとつの小さなビオトープでも、生きものの視点に立って少し工夫するだけで、多様な生きものと、その「すみか」となる多様な環境について知ることができるのです。
日々の暮らしの中でも、周囲の環境を生きものの視点で見てみてください。そうすれば、その多様な生きものたちの暮らしを知ることができ、都会ももっと生きものたちが安心して暮らせる場所になっていくのではないでしょうか。

ホコ

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夜のカラス?

私の近所の緑道を流れる小川には、毎年今頃になると、小魚などを食べに『ゴイサギ』がやってきます。ゴイサギは日本の北方では夏鳥、本州以南の各地では留鳥ですが、うちの近所の小川には、魚などの生きものが活発になる時期を狙ってか、今頃になると現れるのです。ですから、この小川でゴイサギを見かけるようになると、夏が来るんだなぁと感じさせてくれます。

ゴイサギは、昼間は近くの樹上で休み、夕方ごろから餌を求めて水辺へ来ています。
だから見かけるのは暗い時間帯で、カラスのような鳴き声を出すので、「ヨガラス(夜烏)」とも呼ばれています。静止したまま小魚などを待ち伏せして捕らえるので、近くにいても、意外と気づかない人も多いみたいです。餌を捕らえるとき、急に首を伸ばすので、「ぬいぐるみかと思った~っ!」とびっくりしている人を良く見かけます。そのくらい、じぃ~っとしているのです。

この小川を餌場の一つとして気に入ってくれているのか、数は少ないですが毎年訪れてくれています。しかし、ゴイサギなどのサギ類が集団でねぐらとして利用している樹林や餌場となる水辺は、人間の開発により減少しているのも事実です。
この緑道の利用者にとっても、夏が近づいていることをお知らせしてくれるゴイサギを見かけなくなってしまうのは悲しい事です。ですから、安心して暮らせる樹林や水辺をこれ以上減らさないよう、また無くなった場所には再生するなど、人間の立場でしか考えない開発等を、生きものの気持ちになって、考え直していかなければなりませんね。
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 ホコ

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5月22日は生物多様性の日

「今日は、何の日」と問いかけながら、すっかり時間がたってしまいました。

答え:5月22日は、「生物多様性の日」!!

この日は「生物多様性条約が締結された日」。それを記念して、国連が定める祝日になっているのです。

日本は、生物多様性条約の批准国でありながら、あまり認識がされていないのが
残念です。

そんな中、人と自然の研究所では、
先週末は宮城県田尻町で、生きもの溢れる田んぼで米づくりをしている「雁音米」の生産者を訪問し、全国の地方議員向けに農業行政を考えるセミナーを開催したり、
株式会社リコーの社員向け「生物多様性行動ガイドブック」の制作のお手伝いをしたり、

生物多様性の重要性=ビオトープ(野生生物の生息場所)を多くの皆さんに知っていただけるよう、日々奮闘中です!

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神戸俊平・アフリカ活動報告会のお知らせ

人と自然の研究所が日本事務局をしている『アフリカと神戸俊平友の会』が、活動報告会を行います。

どなたでもご参加いただけますので、アフリカの野生動物やマサイ族の家畜診療、スラムの貧困に関わる活動など、是非お聞きいただければと思います。

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2008年1月の総選挙による国内暴動で、昨年はケニアスタディツアーを安全確保のため中止いたしました。あれから一年、ようやく落ち着きを取り戻し、今年は3班13名が、スタディツアーに参加されました。 そのツアー報告とともに、ケニアでの神戸俊平の活動報告を行います。ケニアでは、長引く乾季の影響により、家畜や野生動物に様々な影響を与えています。ケニアの現状を是非お聞きください。   

・日 時 : 2009年6月2日(火)18:30~20:30

・会 場 : 国立オリンピック記念青少年総合センター
                      センター棟 4階402号
                      東京都渋谷区代々木神園町3番1号
                      ※門を入ったら正面の階段を上り、右前方がセンター棟です。

・内 容 : アフリカでの活動報告,KAMBE車基金報告,スタディツアー報告

・参 加 : 無料

報告会に参加希望の方は、お手数ですが事務局までご一報下さい。

◆お問合せ・お申込み : アフリカと神戸俊平友の会日本事務局
                    東京都渋谷区神山町3-4 i.VILLAGE
                    TEL03-5465-2928 FAX03-5465-2939
                    E-mail: bio@bio-inste.com

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今日は何の日?

5月22日。何の日かご存知でしょうか?
この日は、あることを記念して国連で定めた国際的な祝日になっているのです。

でも、なぜか日本では、全然知られていません。

答えは、来週お知らせします。

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2009年度ビオトープ管理士試験対策演習講座募集開始!

ビオトープ管理士資格試験の受験をお考えの方へお勧めの、試験対策演習講座の募集が始まりました!
今年もビオトープ管理士試験まで、あと4ヵ月程となりました。受験をお考えの皆様、生態学やビオトープ論、環境関連法など、範囲はとても広いですが、知識を自分のものにできていますか?自信を持って試験に挑むために、実際のビオトープ管理士試験の傾向・内容を踏まえた試験対策演習問題集で試し、各設問の解説でもう一度確認してみてはいかがでしょうか?
内容は以下の通り。
 ①2009年度版演習問題集(各級共通)
 ②2009年度版傾向と対策ポイントガイド※1(各級共通)
 ③2級:実力判定模擬試験
  1級:1200文字論文 3回の添削とアドバイス

2級の試験対策講座に含まれる実力判定模擬試験は本試験と同形式となっており、本番さながらの模擬試験の演習と小論文添削・実力判定アドバイスもあります。また、1級の試験対策講座では、ネックとなる1200字の論文の添削及びアドバイスを3回受けることで、より完成度の高い論文を書き上げる実力を身につけることが出来ます。

試験対策として効果的な学習を重ね、さらなるレベルアップをしたい方にも最適な講座です。
一度ビオトープ管理者養成通信講座を受講された方なら、受講期間を問わずどなたでもお申込みいただけますので、皆様のお申込み※2、お問い合わせ、お待ちしています!

詳細等は、こちらからご確認ください。

※1 8月発送予定のポイントガイドは、現受講生にお送りするものと同じものです。
※2 1級のみ、6/1(月)が申込みの締め切りとなっております。

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わずか1cmのガマガエル!?

以前、ブログでご紹介した、「アズマヒキガエル(俗称:ガマガエル)」のオタマジャクシが約2ヶ月経ち、変態を終え、幼体になりました!

Image008_2 最初は土壌有機物などを食べていた幼生(オタマジャクシ)も、イトミミズやユスリカの幼虫等、動物性のものを捕まえて食べるようになり、後足、前足と生え揃い、尾が短くなると肺呼吸に変わり、幼体になりました。わずか1cmという小さな状態で変態を遂げたこのスリムなカエルが、その後最大で17cm程の、ガマガエルになるなんて想像できないですよね。

Image3621_2 まだエラ呼吸をしています。

 

 

 

 

Image3651_2 肺呼吸になりました!

   

  

 

変態後は雑木林や民家の庭等、暗くジメジメした場所でミミズや小昆虫等を食べて暮らしています。きっと皆さんの身近な場所にも暮らしているのではないでしょうか。わずか1cmほどのカエル、見つけることができるでしょうか?

 

また来年も春先になれば、アズマヒキガエルたちは子孫を残すために、水辺へと向かうでしょう。※1しかし、吸盤もなく、重たい体でノシノシと歩く彼らには、ちょっとした段差や、日の照りつけるコンクリートなどが移動の際の大きな障害となり、産卵できないことだってあるんです。アズマヒキガエルなどの生きものが安心して暮らすことのできる環境づくりについて、みなさんにも、生きものの気持ちになって考えてもらえたら、これからもずっと生きものと仲良く暮らせて、彼らもこんな可愛いオタマジャクシやカエルの姿を見せてくれるんだなぁと、1cmのカエルに改めて教えてもらいました。

※1 アズマヒキガエルは生まれてから性成熟するまでに、普通オスは2~3年、メスは3~4年かかります。

注意:成体のアズマヒキガエルの背中にはイボのような突起が多数あり、そこから毒液を分泌しています。触った手で目を触るととても滲みますので、ちゃんと手を洗ってくださいね。

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